介護事故の予防に向けた様々な取り組みが行われている老人ホームや病院は全国的に増えていますが、介護の職員として安全にサービスを提供するために、業務の合間を縫って必要な知識を身に着けることが大切です。
例えば、特別養護老人ホームやグループホームなどの要介護度の高い利用者が入所している施設においては、医薬品の誤飲の他、ベッドや風呂場などでの転倒などのリスクに備えるために、定期的に適切な研修を受ける必要があります。また、経験の浅い介護職員の数が多い職場においては、数か月程度の間先輩のスタッフがフォローに入るなど、介護事故を回避するように心がけることがポイントです。
介護現場におけるリスクマネジメントをめぐる対策の状況については、自治体や社会福祉法人、株式会社などの運営主体によって大きなバラつきが出ることがあります。そうした中、介護を必要とする高齢者の数が多い市区町村においては、ケアマネジャーや介護福祉士などの専門的な資格を持つ人材によるセミナーや勉強会などが開催される機会が増えています。そこで、リスクマネジメントに対する意識を高めるうえで、日ごろから様々な介護現場で働く人と意見交換をしたり、介護技術の向上を目指したりすることが肝心です。
なお、比較的規模の大きな介護施設では、長年の経験を持つ介護職員が新人や再就職者への指導を行うケースも多くあり、サービスの質を高めるうえで理想的な環境が整いつつあります。